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神が植えたところで咲きなさい

 修道者であっても、キレそうになる日もあれば、眠れない夜もあります。そんな時に、自分をなだめ、落ち着かせ、少しだけでも心を穏やかにする術を、いつしか習いました。
 三十台半ばで、思いがけず岡山に派遣され、翌年、大学学長に任命されて、心乱れることも多かった時、一人の宣教師が短い英詩を手渡してくれました。
Bloom where God has planted you. (神が植えたところで咲きなさい)
 「咲くということは、仕方がないと諦めるのではなく、笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることなのです」と続いた詩は、「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです」と告げるものでした。
 置かれたところで自分らしく生きていれば、必ず「見守っていてくださる方がいる」という安心感が、波立つ心を鎮めてくれるのです。
 咲けない日があります。その時は、根を下へ下へと降ろしましょう。この本が、読む方の心に少しで和らぎをもたらすようにと願っています。

      渡辺和子著「置かれた場所で咲きなさい」より

by Bible-door | 2012-08-16 11:21 | 詩、エッセイ